対談、インタビュー
物流ビジネスは、人手不足や古い商慣習などに起因する大きな課題を抱えています。
「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスが、TVや新聞などの一般メディアでも報道されるようになり、注目を集めています。これは物流クライシスが、私たちの日常生活に大きな影響を与えるにもかかわらず、その解決がとても難しいからです。
ネクストロジスティクスジャパンは、「物流は、もはや競争領域ではなく、協調領域です」と断言します。柔らかく言い直せば、「同じ業界で同じビジネスに取り組む他社は、もはやライバルではなく仲間ですよ」といったところでしょうか。
この言葉は、物流業界が目指すべき課題克服の本質を言い表していますが、これ、あらゆる業界に共通することではないでしょうか。
創業からわずか5年で、着々と成果を上げていく、「物流業界の風雲児」ネクストロジスティクスジャパンの取り組みには、すべての業界に共通する気づきと学びが存在します。
「物流の2024年問題」とは、トラックドライバーの残業時間が、働き方改革関連法によって制限されることで生じる諸問題を指します。
かいつまんで言えば、これまで事実上好き放題働かされていたトラックドライバーという働き方に、「残業は年間960時間までね!」という枷(かせ)が課されたのが、「物流の2024年問題」です。
「物流の2024年問題」はいろいろな課題を引き起こすのですが、とりわけ厄介なのは、トラックの輸送リソースが減少することです。例えば、これまで一日11時間働いていたトラックドライバーが、9時間しか働けなくなったとします。単純計算すれば、このドライバーが一日に輸送できる貨物の量は、11分の9、すなわち以前の8割ほどになってしまいます。
「物流の2024年問題」を理解するためのポイントを3つ挙げます。
少子高齢化が加速し、就労可能人口が恐ろしいほどの勢いで減少していく日本社会においては、当然トラックドライバーも人手不足が進んでいきます。
「トラックドライバーの待遇(収入や労働環境、労働時間など)を改善すれば、『物流の2024年問題』は解消できる」と主張する方もいらっしゃいますが、この考え方では、運送業界だけを救うために、他業界を犠牲にする(他業界から就労者を奪う)ことになってしまいます。
「物流の2024年問題」を根本的に解決するためには、就労者が減少しても、輸送リソースを維持、あるいは向上させるための構造改革が必要となります。
「物流の2024年問題」は、働き方改革関連法によって強制的にトラックドライバーの労働時間が制限されることによって生じる問題です。
本来、労働時間の削減というのは、業務改善やビジネス革新の結果生じる成果のはずなのですが、業務改善・ビジネス変革の具体的な方法を十分に示さず、結果を目的化してしまったところに、政策としての致命的なミスがあります。
実は、巷で見かけるトラックの半分以上は、「空気」を運んでいます。つまり、空荷で走っているのです。
当然ながら、いくら「空気」を運んでも売上にはなりません。
1台のトラックが運んだ貨物の重量に対し、トラックの最大積載量を割り算した値を積載率※と呼びます。
国土交通省の統計によれば、1993年には55%近くあった積載率ですが、現在では40%以下まで下がっています。
原因はさまざまですが、例えば時間指定配送は積載率を下げる一因となります。
「朝9時に配送して欲しい」という1トンの貨物が10個あった場合、トラックは10台必要になります。しかし、朝9時の時間指定貨物が1個で、残りの9個は「夕方までに運んでくれればいいよ」という条件だったら、大型トラック1台で配送できる可能性があります。
詳細は割愛しますが、行き過ぎた顧客第一主義の結果が、積載率の低下(≒運送ビジネス全体に影響する生産性の低さ)を招いてしまったのが、現在の運送ビジネスの課題なのです。
ところが、ネクストロジスティクスジャパンは、現在でも積載率60%以上を実現し、将来は80%オーバーを実現できると言います。
なぜ、運送ビジネス全体の平均値をはるかに上回る生産性を、ネクストロジスティクスジャパンは実現できるのでしょうか?
※積載率について
国土交通省等の政府資料では、積載効率を指標として用いています。積載効率と積載率は近しいものですので、本稿では同じものとして記載していきます。
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物流ジャーナリスト 坂田良平
元トラックドライバー。その後、通信業界、IT業界などで働いた経験も活かし、現在は物流企業の営業支援活動と、物流ジャーナリストという二足のわらじを履く。 特に最近では、現場経験にもとづく独自の分析が注目され、連載「日本の物流現場から」(ビジネス+IT)他、Merkmal、LOGISTICS TODAYなどの物流メディアや企業オウンドメディアなどで、物流をテーマとし …
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